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第4回  脈の乱れから寝たきりに!! ~心房細動の怖さ~

前回のおさらいになりますが、検脈で異常を感じたら、症状がなくとも早めに心臓専門医を受診しましょう。
特にリズムが規則的ではなく、脈のリズムがばらばらの時には心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈かもしれません。
この不整脈は、第2回で述べた分類でいえば、頻脈性の不整脈に該当します。

心房細動とは?

心房細動は治療が必要な不整脈の中では最も一般的にみられる不整脈で、高齢になるほどその頻度が高くなり、80歳以上ではおおむね10人に1人は心房細動があるといわれています。
この不整脈が厄介なのは、心臓の中で血液の固まりを作り、それが血管の中を移動して脳の血管を詰まらせ、脳梗塞の原因になることです。
心房細動をもつ人は、通常の人に比べて脳梗塞の割合が5倍高まるといわれています。
脳梗塞を起こした人を調べると、実は心房細動が原因であったということが少なくありません。
心房細動が原因で脳梗塞を起こすと、ひどい後遺症を残し、社会復帰が困難になることはもちろん、寝たきりになることも少なくありません。
ですから、脳梗塞を起こす前に、この心房細動を見つけて予防することが重要なのです。
心房細動によくみられる症状としては「ドキドキする」「息が切れやすい」「めまい、ふらつき」などがありますが、何度も申し上げるように全く症状がないことも多いので、日頃からの検脈が大事なのです。

寝たきりになると、1人あたり年間の300万もの医療費がかかり、世話する家族の人生まで一変させてしまいます。
ですから、検脈でおかしいなと思ったら、診断には心電図検査が必要ですので、早めに医師の診察を受けましょう。
心房細動と診断されたら、その後の治療をどうするのか、これについては次回お話ししましょう。